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2023年に『燃え尽きるまで』の予告編を初めて観たときのことを今でも覚えています。あの作品はまさにどこにでも登場していて、当時最も話題になっていたリミテッドシリーズのひとつだったと思います。私のホーム画面にも何度も表示され、ついに好奇心から再生してみました。それが、永野芽郁さんを初めて観た瞬間でした。
永野芽郁さんは、日本のエンターテインメント界において際立った才能を持つ俳優でありモデルとしても活躍しており、その多才さと人を惹きつける存在感で広く知られています。2009年のアクション・アドベンチャー映画『ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル』でデビューを果たして以降、映画とテレビの両分野で多彩で印象的なキャリアを築いてきました。
代表的な出演作には『俺物語!!』『ひるなかの流星』、そして第98回NHK連続テレビ小説『半分、青い。』などがあり、とくに『半分、青い。』ではオーディションで2,366人の中から主役に選ばれ、その卓越した演技により高い評価を得ました。この演技で、彼女は第98回ザテレビジョンドラマアカデミー賞にて最優秀主演女優賞を受賞しています。
2019年には菅田将暉さんと共演したドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』で助演女優賞を受賞。さらに、2021年の映画『そして、バトンは渡された』では主演を務め、批評家からの高い評価を受け、第64回ブルーリボン賞で最優秀主演女優賞に選ばれました。
そして2025年、東村アキコさんの自伝的漫画『かくかくしかじか』が実写映画化され、永野さんは主人公・林明子役を、大泉洋さんがその恩師である日高健三役を演じました。
物語は、漫画家を夢見るも、まだ技術も覚悟も足りない高校生・林明子が、厳格で型破りな絵画教室の講師・日高先生と出会い、本格的な美術の世界に触れる中で、自身の不安や弱さと向き合いながら成長していく姿を描いています。
本作は、モントリオールで開催されたファンタジア国際映画祭にて北米プレミア上映され、名誉あるシュヴァル・ノワール部門に正式出品されました。
One Lash Shot女優・永野芽郁さんとお話しする貴重な機会を得て、漫画家の目線で描かれた世界をどのように実写化し、そのビジョンを紙の上から魅力的な映像作品へと昇華させる上で彼女が果たした独自の役割について語り合いました。

林明子役を演じることになったきっかけは何でしたか?また、この作品が東村アキコさんの実体験をもとにしていると知ったとき、どのような気持ちになりましたか?
今作のチームとご一緒するのは 2 度目でした。前作の撮影後も交流をしている中で「かくかくしかじか」のお話を聞き参加させていただけることになりました。
東村アキコ先生の自伝的な作品ですので私が演じることにより、先生の物語を変えてしまってはいけないといつもに増して緊張感と責任感でいっぱいでした。
出演を決める前に、原作の漫画を読まれましたか?もし読んでいた場合、それは林明子というキャラクターを理解する上でどのような影響を与えましたか?
読みました。一コマ一コマの表情や伝わってくる空気感から林明子を作っていきました。
原作漫画もですが、1 番は東村アキコ先生と実際にお話しさせていただいたのがキャラクターの理解が深まる時間でした。
大泉洋さんとの共演はいかがでしたか?
2度目の共演でしたか、やはり毎日現場が明るく楽しかったです。カメラの前に立つと一瞬で佇まいが日高先生になる姿や、空き時間には東村先生に日高先生についてお聞きしている姿を見て、役について向き合う先輩の姿に刺激を受けました。

撮影の中で最も難しかったシーンはどれでしたか?
シーンというより、方言が難しかったです。宮崎弁は、関西弁とも博多弁とも違う。コツを掴んだと思ったらうまく言えなかったり、耳ではうまく言えているつもりなのにマイクを通すと違く聞こえたり。最後まで放言指導の先生と、東村先生に教えていただいていました。
映画の中で特にお気に入りのシーンはありましたか?
沢山ありますが、初めて日高先生とバス停で会ってから教室に向かうまでのシーンも好きですね。二人の出会いのシーンなので私自身の記憶にも残っています。
この映画が問いかけている大きなテーマの一つに「アーティストであるとはどういうことか?」というものがありますが、明子の人生を演じた今、その問いにどのように答えますか?
難しいですね。笑
アーティストでありたいと思い続ける強い気持ちや、孤独を受け入れて昇華することな気もします。しかし私自身もまだこの問いについての答えはわからず、これからも模索しながら過ごしていくことだと思っています。
明子の持つ強さや創作に対する成長から、スクリーンの外のご自身の人生に活かせた学びがあれば教えてください。
たくさんの学びがありました。時には心が弱くなる瞬間がありますが、そんな時こそ自分を信じる強さを大切にしなければいけないと思いました。
今後のどういう作品、仕事に挑戦したいか教えてください。
舞台です。まだ一度も経験したことがないので 20 代のうちに挑戦したいと思っています。
[Author’s Note: ありがとう Nagano-san!News Anchorを見るのが待ちきれない]